スターオーシャン2台詞集 レナ篇 その12
フィーナルへの侵攻
セントラルシティ・市長室
- ナール(席を立って)「どうやら、ついに全ての場の力を手に入れたようですね。
- レナ「はい。…ただ、あんまり強くなったという感じはしませんけど。
- ナール「そんなことはありませんよ。あなた方は確実に強くなっています。もはや私達ネーデ人の中に、あなた方にかなう者はいないでしょう。
- レナ「そんなことはないと思いますけど…。
マリアナ隊長現れる。
- マリアナ「ナール市長。防衛軍の全装備、ラクアに集結し終えました。
- ナール「そうか。たった今、クロード殿も4つの場の力を全て手に入れて来てくださった。これで我々の準備は全て整ったな。では明日の正午に、奴等の居城であるフィーナルへの侵攻作戦を開始するとしよう。
- マリアナ(畏まって)「はっ!
- マリアナとは初対面の場合
- ナール「そう言えば、あなた方が会うのは初めてでしたな。紹介しましょう。彼女がネーデ防衛隊の隊長を努めておりますマリアナです。
- マリアナ(2人に向かって)「初めまして。以後よろしく。
- クロード「こちらこそ初めまして。
- レナ「よろしくお願いします。
- ラクアでマリアナと出会っていた場合
- ナール(2人に向かって)「そう言えば、あなた方が会うのは初めてでしたな…。
- クロード「あ、いえ、マリアナさんとはラクアで話したことがあります。
- ナール「おお、そうでしたか。
- マリアナ(仲間に向かって)「それでは、失礼します。(立ち去る)
- ナール「明日正午より、我々はフィーナルへの侵攻作戦を開始します。この作戦は、文字通り全宇宙の命運を賭けた戦いになることでしょう。この作戦に、あなた方も参加していただきます。
- レナ「明日ですか?
- ナール「はい。たしかに急な話になりますが、時がたてばたつほど我々は不利になります。十賢者達の準備が完全に整う前に攻め込まないと、我々に勝ち目はありませんので。
- クロード「わかりました。
語られる真実
- レナ「あの…。ちょっといいですか…。
- ナール「何ですかな?
- レナ「なんとかしてエクスペルのみんなに、連絡をできませんか? 心配してるといけないし…。
- ナール「それは…。
- クロード・ナール(…)
- レナ「できないんですか?
- ナール「いえ…実は、エクスペルは…もう、この世に存在していません。
- レナ(?)「エクスペルがもうないって…、一体どういうことですか?!
- ナール(後ろを向いて)「…もうどこにもないのです。エクスペルはこのエナジーネーデと衝突し、跡形もなく消滅してしまいました…。
- レナ「それじゃあ、お母さんや村長様たちは…。
- ナール「はい。残念ですが…。
- レナ「そんな…ナールさん、なんで教えてくれなかったんです?! お母さん…みんな…。
- ナール「…ですが、まだ望みはあります。
- レナ「望みって…。どういうことですか!?
- ナール「ある手段を用いれば…。エクスペルを蘇らせることができるかもしれません。
- クロード「ナールさん、手段って…。
- ナール(振り返って)「時空移転シールドのシステムを応用して、消滅する直前のエクスペルを現在に転移させてくるのです。
- クロード「そんな事が可能なんですか!?
- ナール「ええ、理論上は。ですがそれを行うには、十賢者達を倒す必要があります。
- レナ(?)「どういうことですか?
- ナール「エクスペルを包むほどの巨大な時空転移シールドを展開するためには、エナジーネーデの全都市のエネルギーを全て使用しなければなりません。ですが我々は今、十賢者にフィーナルを奪われてしまっております。
- レナ「それじゃあ、十賢者を倒して フィーナルを取り戻せば…。
- クロード「そうすれば、エクスペルは蘇るんですね。
- ナール「はい、そうです。
- レナ「十賢者を倒せばお母さんたちも…。
- クロード「…どうあっても、負けるわけにはいかないな。
- ナール「とにかく今晩はゆっくりと休んで下さい。エクスペルを含めた、全宇宙の運命は、明日の戦いにかかっているのですから。
翌日・トランスポート
- ナール「ネーデ防衛軍のメンバーは、既にラクアで決戦の準備を行っています。我々もこれからラクアに向かい、彼らと合流します。
- レナ「わかりました。
ナール、トランスポートに入る。
- クロード「僕たちは勝てるのか? いや、必ず勝たないと…。
自分達も入る。
ラクア
トランスポート
- ナール「みなさん揃いましたね。それでは行きましょう、ついてきて下さい。
地下にて
- ナール「十賢者達の居城であるフィーナルは、現在はエネルギーフィールドに守られていて、サイナードでは進入することはできません。また、あそこにあったトランスポートは、十賢者達に使用されることを恐れたフィーナルの人達が自ら破壊したために、今では使用できなくなっています。
- レナ(?)「それじゃあ、どうやって行くんですか?
- ナール「ネーデ防衛軍の調査の結果、フィールドは海面から100M程の深さまでしか張られていないことが分かりました。あの周辺の海には、それよりももっと深い部分がありますので、そこからフィーナルに進入することが可能になります。
- クロード(?)「でも、どうやって?
- ナール「その為に我々はラクアに来たのです。ここにいるヘラッシュに乗り込み、海中から直接やつらの懐に飛び込みます。
- レナ(?)「ヘラッシュって?
- ナール「サイナードの様な紋章生物です。ヘラッシュは、人を乗せて海中に潜ることができるようになっています。
- 全員(!)
ヘラッシュ
- レナ(!)「これがヘラッシュなの?
- ナール「そうです。これが深海探査紋章生物『ヘラッシュ』です。見かけは恐いかも知れませんが、おとなしい生き物ですよ。
- ナール(見回して)「これで全員揃ったようですな。それでは、ヘラッシュに乗り込み、フィーナルに向かうとしましょう。
全員乗り込む。
フィーナル湾岸
- マリアナ「これから敵の本拠地に乗り込むんだ。みんな、気を引き締めて行くよ。
フィーナル塔
十賢者幹部との対面
全員、進み出る。
- レナ「どういうことですか?
- ????「こういうことだよ。
ガブリエル現れる。
ルシフェル現れる。
- ルシフェル「くく…ようこそ、諸君。意外に遅かったな。我々は君たちが来るのをずっと待っていたのだぞ。
- レナ「どういう意味よ!
- ルシフェル「なに、大したことではない。我々の計画も、最終段階が近づいてきたのでね。それを君たちにも披露して差し上げようかと思ったのだよ。
- クロード「何だと!
- ガブリエル「既に我々は、エナジーネーデの移動システムと対航宙艦兵器を完成させた。さらに惑星破壊兵器の完成もそう遠くない。近いうちに銀河系は我々の手に落ちる。
- クロード「そんな馬鹿な。地球連邦が黙っているものか!
ミカエル現れる。
- ミカエル「残念だが地球連邦軍の陽電子砲ごときでは、このエナジーネーデを包むシールドに傷をつけることすらできん。それに比べて我々の反陽子砲は、奴らの防御シールドを紙の様に貫くことができる。
カルナス、撃沈
スクリーンに戦艦が映る。
- レナ「何…あれは?
- クロード「そんな…カル…ナス。
- レナ「カルナス?
- クロード「僕の、父さんが乗っている船だ。(!)「何だって!? まさか、お前達!
- ルシフェル「まずは、出力10%程でいいな?
- ガブリエル「やれ!
- 戦艦内部
- オペレーター「提督! セクターθの中心にエネルギー体を確認。急激にエネルギー量が増加していきます。
- 操舵員(!)「そんな…円周加速反応!? 提督、反物質砲です!
- ロキニス(正面を向いて)「何!? あそこは超新星の残骸だぞ。クラスナインものエネルギー体の中に、何があるというんだ!?
- オペレーター「内部に何かが存在するのかも知れません。
- ロキニス(…)「全通信回線開け! 可能な限りの通信言語で友好の意志を伝えてみろ。同時に、万が一に備え、後部防御シールドを全開にしておけ。
- オペレーター「了解!
- 操舵員「さらに、目標の円周加速反応増大中!
- ロキニス「向こうからの返答は!?
- オペレータ「ダメです! 依然沈黙を守っています。
- ロキニス「後部防御シールド出力最大。全員、対ショック用意。
反物質砲放たれる。何とか持ち堪えるが、大きな振動が伝わる。
- オペレーター「きゃあっ!
- 操舵員「わあっ!
- ロキニス「くっ!
- オペレーター「後部防御シールド、出力72%に低下!
- ミカエル「ほう…意外にやるものだな。
- ガブリエル「出力を上げろ。
- ルシフェル「さて…それでは、次は30%で試してみるとするか。
- クロード(進み出て)「なにっ!! !
- 戦艦内部
- 操舵員「さらに目標の円周加速反応増大中! 先ほどの砲撃よりもエネルギー量が上昇しています。今度はクラス0.4のエネルギーです!
- ロキニス「全てのエネルギーを後部シールドに回せ! 急げ!!
- オペレーター「砲撃、来ます!
反物質砲放たれる。何とか持ち堪えるが、さらに大きく揺れる。
- 操舵員「うわああっ!
- ロキニス「くううっ!
- オペレーター「後部シールド、出力22%に低下! 次は耐えられません!!
- ロキニス「こちらも陽電子砲で応戦しろ!
- 操舵員「あの巨大なエネルギー体の、何処を攻撃するというんですか!?
- ロキニス「先ほどの2発の砲撃から、コンピューターで発射地点を計算しろ。計算終了しだい、反撃を行う!
- オペレーター「分かりました! 計算終了! 座標『2415-3325-1414』陽電子砲、照準あわせます!
- ロキニス「よし、撃て!
陽電子砲が放たれる。
- ルシフェル「無駄なことを…。
- ガブリエル「出力を…上げろ。
- クロード(!・懇願して)「お願いだ。もう、やめてくれ…。
- ルシフェル「さらばだ。
- クロード(立ち上がって)「やめろおおぉぉっっ!! !! !!
- 戦艦内部
- ロキニス「どうだ、効いたか!?
- オペレーター「陽電子砲、効果が確認できません!
- 操舵員「円周加速反応! 次が来ます! 今度はクラス0.7です!!
- ロキニス「なんて…ことだ!
さらに強い砲撃。戦艦はシールドもろとも破壊されてしまう!!
ネーデ防衛軍の敗北
- クロード「許さない…絶対に許さないぞ! お前達、全員殺してやる!!
- ミカエル「威勢だけはいいな…。
- ガブリエル「頭に血が昇っていては、勝てる戦いも勝てんぞ。
ザフィケル、現れる。
- ザフィケル「ガブリエル様、この場は私にお任せ願いたい。
- ガブリエル「よかろう。
- ルシフェル「ザフィケル、手加減してやれよ。
- クロード「なにっ!!
十賢者の幹部3人、立ち去る。
- ザフィケル「4つの場で、なにをコソコソとやっていたのかは知らないが、所詮、我々の相手ではない。
二体のロボットが現れる。
- 全員(!)
- ナール「くっ、囲まれたか…。
- マリアナ「上等だよ! 全員まとめて叩き潰すだけさ。
- ザフィケル「そう簡単にいくのかな?
- マリアナ(進み出て)「今すぐやってみせてあげるわよ。行くよっ。みんなっ!
戦闘終了。
- ザフィケル「ほう…生き残ったか。まだまだいるぞ。
- クロード(振り返って)「なにっ!!
戦闘終了・またロボット現れる。
- ナール「ダメじゃ…キリがない。
- クロード(進み出て)「覚悟しろ、父さんの仇だ!
- ザフィケル「面白い。貴様達の力を見せて貰おうか。
戦闘敗北。
- ザフィケル「ふん…話にならんな。
- クロード(立ち上がって)「くそっ!
- レナ「攻撃が、効いてないの?
- マリアナ「正直な話、ここまで力の差があるとは思わなかったわね。
- ナール「いかん、撤退しましょう。ひとまず撤退して、体勢を立て直さなくては!
- ザフィケル「愚かな…。逃げられると思っているのか?
- マリアナ(進み出て)「ここは私に任せな。他のみんなは、今のうちに逃げるんだよ。
- レナ(!)「そんな、マリアナさん!
- ナール「早く来るのじゃ。
- マリアナ「今は引け。仕方ないんだよ。このままじゃ勝つ事はできない。
- クロード「でも…。
- マリアナ「いいから早く行きな! 私がどれだけ耐えられると思ってんだよっ!
仲間、後ろ髪を引かれる思いで撤退する。
- ザフィケル「自らを犠牲にして仲間を逃がすか。フム。殊勝な心がけだな。
- マリアナ「さて、どうかしら。言っておくけど、負けるつもりなんてこれっぽっちも無いんだからね。
最強の武器を求めて
セントラルシティ・夜明け
- ナール「ゆうべは、よく眠れましたか?
- 二人(…)
- ナール(後ろを向いて)「確かにわれわれは最初の戦いでは敗北しました。防衛軍など歯が立たなかった。
- レナ「私たちも…勝てませんでした。
- ナール「しかしあなた方は善戦していた。私はそう判断しました。
- レナ「確かに、生きているのが不思議なくらいだわ。
- ナール(…)「しかし、敵側には相手にされなかった。なぜだと思います?
- レナ「私たちの力が、未だ彼らに及ばないからじゃないんですか?
- ナール(振り返って)「いいえ。あなた方の力が弱いのではなく、ただそれに見合った武器がないからなのです。
- レナ「武器…ですか?
- ナール「はい。本来ならば、使用する事のない武器だったのですが、こうなったら仕方がないでしょう。
- クロード(?)「それはどういう事ですか?
- ナール「封印されている紋章兵器研究所にあなた方を連れて行きます。
- レナ(?)「紋章兵器研究所?
- ナール「話は着いてからにする事にしましょうか。そしてもう一つ、私たちが不安に思っている事があるのです。
- クロード「何ですか?
- ナール「フィーナルの十賢者の後ろにあった紋章の事です。
- レナ「あれってただの飾りじゃないんですか?
- ナール「いいえ、あれはあまりにも重い意味を持つ紋章です。
- レナ「重い意味を持つ紋章って…、何なんですか、あの紋章は?
- ナール「あれは、究極の紋章、最悪最後の紋章なのです。その効果は、宇宙そのものの崩壊。
- 二人(!)
- ナール「ネーデでは絶対に使われる事のない、一部の者しか知らない紋章です。
- レナ「そんな、宇宙の崩壊…?
- クロード「十賢者の目的は宇宙支配じゃないのか?
- ナール「彼らの考えている事はもはや理解できません。崩壊が目的ならば、ネーデに戻る必要さえないのですから…。
- レナ「でも、そんな紋章を彼らが知っているのなら、彼らを倒しても宇宙の崩壊は止められないんじゃないですか?
- ナール「とりあえず、あなた方は十賢者を倒す事を考えてください。崩壊紋章については、われわれの方で解決策を考えます。
- クロード「分かりました。
- ナール「ではあなた方は、一足先にアームロックに行ってください。私はもう少ししなければならない事があるので、アームロックで落ち合う事にしましょう。
アームロック
町の入口
- レナ「すみません、お待たせしてしまって。
- ナールの使い「いえ、ナール市長はすでに『封印の扉』の前でお待ちです。すぐに市長の所に行ってください。
- レナ(?)「封印の扉?
- ナールの使い「では、用件は伝えましたので。(撤退する)
- クロード「何だよ、だったらその場所まで案内してくれてもいいのに。
- レナ「封印の扉…。
町の外に出ようとする
- レナ「ナールさんが封印の扉の前で待っているはずね…。
封印の扉の前
- ナール「来ましたか。それでは参りましょう。
- レナ(進み出て)「待ってください。『封印の扉』って一体何ですか?
- ナール(…)「その名の通りです。ある場所を封印するために作られた扉です。
- レナ「ある場所を封印するため…。
- ナール「暗証コードは限られた者しか知りません。先ほど、ロックを解除しておきました。さあ、行きましょう。
トランスポート内部
- レナ「これは…。
- ナール「ある場所につながっているトランスポートです。
- レナ「それは分かりますけど、なぜこれほど厳重に守られているんですか?
- ナール(…)「行きましょう。行けば分かるはずです。
- レナ「…分かりました。
トランスポートに入る。
紋章兵器研究所
- レナ「ここは…。(トランスポートから出て)ここは…、どこなんですか?
- ナール「紋章兵器研究所跡です。
- レナ「研究所、跡…?
- ナール(離れて)「私は先に行っていましょう。少し散歩をする気分で歩いて来られるとよろしい。(振り向いて)レナさん。
- レナ「はい。
- ナール(…)「いや…。(先に行く)
- レナ(?・進み出て)「どうしたのかしら、ナールさん…。
2人、それぞれに散る。
- クロード「フシギな感じのする場所だな…。
- レナ(歩いて)「私…、前にこの場所に来たことがあるような気がする…。
- クロード(振り向いて)「えっ?
- レナ(振り向いて)「ごめんなさい。変なこと言っちゃって。でも、そんなことはないわよね。
- クロード(走って)「とにかく、ナールさんの後を追って行こう。
記録室
- ナール(!・振り向いて)「おお、来ましたか。
- レナ「この部屋は…。
- ナール「ここは全ての記録を収めた部屋です。
- レナ「記録?
- ナール「この研究所が建てられてから、崩壊する事になるまでの全記録がデータとなって保存されている貴重な部屋なのです。
- レナ「記録の間…。
- ナール「最初からご覧になる必要はありません。最後だけみなさんに御覧いただきたい。
- クロード「最後って、研究所が崩壊した時の記録ですか?
- ナール「そうです。そこに十賢者を倒すためのヒントがあるはずなのです。
- レナ「私、なんだか恐い…。
- ナール(モニタに向かって)「始めます。私もこの映像を見るのは初めてなのです…。
- 当時の研究所・崩壊寸前
- 「ネーデ紋章兵器は、ただいまより5分後に崩壊します。外部とは完全に遮断されました。所員は速やかにシェルターに避難してください。
所員と所長リーマが現れる。
- 所員(汗)「所長、早くシェルターに逃げてください。
- リーマ(振り向いて)「ムダよ。あのクリエイションエネルギー装置の暴走によるエネルギーは、シェルター程度ではふせげない。
- 所員「そんな…。
- リーマ「でも外はだいじょうぶ。実験中の時空間移転シールド、エタニティーフィールドの二重防御によって守られる。爆発時の膨大なエネルギー量は、別の空間と相転移するわ。
- 所員「でも我々には時間がありません。外には逃げられませんよ。
- リーマ「分かっているわ。私たちはもう終わりよ。あなたも分かっているでしょう?
- 所員(…)
- リーマ「それより、試してみたい事があるの。
- 所員「何ですか?
- リーマ「私が研究中のやつよ。レナを連れて来て。
- 所員(!)「お嬢さんを…ですか?
- リーマ(進み出て)「時間がないわ。早く。
- 所員「はっ、はい。(立ち去る)
リーマ、壁際に向かう。
所員、レナを連れてくる。
- レナ「ママ、ママ。
- リーマ(レナに向かい合って)「どうしたの、レナ? だいじょうぶよ、ママが助けてあげるからね。
- 所員(汗)「ですが、所長! 現在研究中のものは生物を入れるようには作られていません。
- リーマ「でも、このままではこの子は死んでしまうわ。ならば可能性にかけてみたいの。大人は入れないし。
- 所員(…)「分かりました。
- リーマ(レナを向いて)「ごめんね。もっと一緒にいてあげたかったのに、ごめんね…。ママからの少し早い誕生日プレゼントよ。本当ならもっときれいな宝石をあげたかったわ、もっと大きくなってから…。
レナにペンダントをあげる。
- リーマ「レナ、レナ…。
- 所員「所長、あと1分しかありません。
- リーマ「分かっているわ。(立ち上がって)研究データベースコードのアクセスコードは 3248-9976-2168-9934-BZQF よ。でも、なるべくなら使用しないでください。お願いします。
揺れが激しくなる。
- ナール「これが、研究所崩壊時の全記録です…。
- クロード「あの、所長さんのお嬢さんの『
レナ
』って…。
- ナール「紋章兵器研究所所長、リーマの娘、レナは…。
- レナ「私、なんですね…。
- クロード(レナを向いて)「レナ…。
- レナ(離れ、俯いて)「記憶にあるというわけではありません。でも、体が何となく覚えているんです。
- ナール「そうですか…。
- レナ(!・振り向いて)「この事故はいつ起こったものなんですか?
- ナール(…)「お知らせするのは辛いのですが、七億年前の出来事です。
- クロード(!)「七億年?
- ナール(クロードに向かって)「爆発時のエネルギーが、時空移転シールドに吸収された事は分かりますね。レナさんが入れられた箱は、あのサイズで時空間移動を可能とする装置だったのだと思います。
- クロード「そんな技術が、七億年前に…。
- ナール「レナさんの入った箱は、時空移転シールドにエネルギーと共に飲み込まれ、破壊される瞬間に時空間移動を奇跡的に果たした、と考えるのが妥当です。
- レナ「そして…、エクスペルに行き着いた…。
- ナール「ええ、おそらくは…。
- レナ(俯いて)「私の…本当のお母さんは、もういないのね。
- ナール「そうです…。七億年前に、亡くなりました。
- レナ(振り向いて)「なんか、実感湧かないし…。だいじょうぶ、別に。
- クロード「レナ…。
- ナール「とりあえず、データベースのアクセスコードが分かりました。これを調べてみましょう。(立ち去る)
レナ、部屋の外に出る。
部屋に戻ろうとする
研究所の外
- レナ「風の匂い…。身体が覚えてる。木が呼んでるわ。
杜の中に入る。
大木の傍ら
- レナ「大きな木…。ずっと昔から立っているのね。(進み出て)どうしてだろう…。ここはとっても落ち着くわ…。小さい頃に思い出があるのかしら…。
クロードが近附く。
二人、愛の語り合い
- クロード「レナ…。
- レナ(後ろを向いたまま俯いて)「ごめんね。突然飛び出しちゃって。ここね、何となく覚えているの。記憶にはないんだけど、風の匂いや、大地の柔らかさが懐かしいの。(木に近附いて)この木は…どれくらい昔からここで生きているんだろう…。千年かな…それとも二千年…。(俯いて)私は…七億年も前の人間なのね…。この木よりもずっと、ずっと昔から…。そして、お母さんも…。
- クロード(進み出て)「レナ…。
- レナ(振り向いて)「クロード、私はお母さんに愛されていたのかしら?(俯いて)お母さんはずっと何かの研究をしていたようだった。(顔を上げて)お母さんは私よりも研究を選んだんじゃないの?
- クロード(後ろを向いて)「僕の母さんも…結婚する前からずっと地球連邦の士官だったんだ。(俯いて)母さんは父さんと結婚して僕を産んだ。それからすぐに科学者としての道に戻ったんだ。『紋章科学』の権威としてね。(顔を上げて)だけど僕を放っておく事はなかった。どっちも大切で、どっちも一生懸命だった。両方諦める事はできなかったって、一回だけ話してくれた事がある。
- レナ(…)
- クロード(振り向いて)「レナのお母さんもそうだったと思うよ。レナも、研究も愛していたんだ。だから両方とも諦められなかった。それがレナのお母さんの選んだ道だったんだ。
- レナ(俯いて)「うん…。
- クロード(進み出て)「無理しなくていいよ。僕だって無理はできない。辛い時はがまんしなくていい。みんながいるんだから。
- レナ「クロード…。
レナ、クロードに抱き附く。
- クロード「レナ…。
- レナ「ここは何だか…神護の森に似てるね…。
- クロード「レナがを神護の森を好きなのも、きっとこの場所の思い出があったからなんだろうな。
2人、しばらくの間、並んで大樹に寄りかかる。
- クロード(立ち上がって)「もう大丈夫かい?
- レナ(立ち上がって)「ええ。ごめんね…。クロードもお父さんのことで辛いのに…。
- クロード「ううん。僕は大丈夫。(後ろを向いて)…きっと父さんも僕が悲しむことを望んでいない…そう思うから…。(考えた末、振り向いて)みんなが待ってるよ。さあ、行こう。
- レナ「うん。
レナ、一旦クロードの方を向く。クロードは頷き、レナは立ち去る。
クロード、立ち去る。
武器データの取得
- 「紋章武器の研究内容はロックが施されています。アクセスコードを入力してください。
ナール、コードを入力する。
- 「3248-9976-2168-9934-BZQF アクセスコードの照会を完了しました。データチップをお受け取りください。
レナとクロードが戻って来る。
- レナ「すみません。急に飛び出したりして…。
- ナール(!・振り向いて)「いえ。私の方こそ、辛いものをお見せしてしまいましたね。
- レナ(頷いて・…)「いいんです。確かにショックじゃないと言えば嘘になりますけど、私が知りたかった事だから…。
- ナール「そうですか…。(進み出て)データは手に入りました。さあ、アームロックに帰りましょう。
アームロック、その2
トランスポート
- クロード「ナールさん、さっきのデータチップの中に、十賢者を倒すためのヒントはあったんですか?
- ナール「いえ…。多分何かの設計図ではないかとは思うんですが…。はたして、それが何なのかまでは…。
- レナ「それじゃあ…。
- ナール「大丈夫です。この街に天才がいますからね。その人に分析を依頼すればそれが何なのか分かるでしょう。すぐそこです。さあ、行きましょう。
ミラージュの家
- ミラージュ(!)
- ナール「紹介しよう。こちらはミラージュ博士。
- ミラージュ「紹介なんてどうでもいいよ。いったい何の用なの? こんなにぞろぞろ連れてきて…。
- ナール「ミラージュ博士、あなたにこの原子ディスクの解析をしてもらいたい。どうやら武器の設計図らしいのだが…。
- ミラージュ「私にその武器を作れって言うのかい? 市長がそんなことを言っていいのかい? 武器を作ったって実戦で使う事は禁止されてるんだよ。そのことは市長、あんたが一番よく知っているだろう?
- ナール「そんな事を言っている場合じゃなくなった。十賢者は『崩壊紋章』すら手段に付けてる。
- ミラージュ(!)「崩壊紋章! まさか、どうしたら十賢者に漏れるんだ?
- ナール「理由を考えている余裕はない。ミラージュ、お前の腕ならおそらく解読し、完成できるだろう。
- ミラージュ(…)
- ナール「ほら、これがその原子ディスクだ。
- ミラージュ「ふうん…。市長に頼まれたっていうんなら違法にはならないだろう。(立ち去る)
- ナール(仲間に向かって)「さあ、私達も奥の部屋へ…。
- レナ「はい。
ミラージュの研究室
- ミラージュ「こいつは凄い。確かに、この武器なら十賢者どころか、小さな衛星くらい吹っとばせるな。
- クロード「これって…どれですか?
- ミラージュ(振り向いて)「見れば分かるでしょ。画面に表示されてるじゃない。
- クロード(汗)
- レナ「これって、ただの剣じゃないんですか?
- ミラージュ「確かに、見かけは普通の武器と変わらないね。だけど、これらは全て反陽子物質を使用しているんだ。
- レナ(?)「ハンヨウ…シ?
- クロード「でも、反陽子は一定の空間に停止させることは不可能なんじゃ…。
- ミラージュ「多少知識はあるようだね。だけど、ここに記録されている装置はそれを可能にしている。
- ナール「幸いなことに、十賢者は紋章兵器研究所の存在も、反陽子武器の存在も知りません。この武器ならば、十賢者たちの開発した防御フィールドを打ち破ることが出来るでしょう。
- ミラージュ「けど、材料が足りないな。
- ナール(!)
- ミラージュ「こいつにはね、反物質を空間に安定させるレアメタルが必要だね。
- クロード「レアメタル?
- ナール「レアメタルといえば、惑星ネーデ時代から移植された鉱床がある、ミーネ洞窟にしか存在しないぞ…。
- レナ「じゃあ、さっそく採りに行きましょう。
- ミラージュ「お嬢ちゃん、そう簡単にはいかないよ。
- レナ(?)「どういうことですか?
- ナール(仲間に向かって)「もともとミーネ洞窟は別の惑星、バークから移植された洞窟なんです。
- ミラージュ(振り向いて)「バーク人ってのは、身体が鉱物で出来ていてね。ネーデ時代にはよく採取されたらしいよ。
- レナ「それはつまり…。
- ミラージュ「簡単に言うと、バーク人自体がレアメタルだっていうこと。
- ナール「純度の高いレアメタルほど、より強力なバーク人なのです。
- クロード「じゃあ、その人たちを倒さないとレアメタルは手に入らないってわけか?
- ミラージュ「しかも、こいつはとてつもなく純度の高いレアメタルを必要としている。バーク人の雑魚をいくら倒してもだめだね。そこまで成長したバーク人だ。下手すりゃ十賢者より手強いかもしれないよ。
- レナ(進み出て)「ミーネ洞窟はどこにあるんですか?
- クロード(!・レナを向く)
- レナ「このまま何もしなかったら、宇宙は十賢者達のものになってしまうんでしょ? だったら、そのレアメタルって鉱石を採りに行ってみましょうよ。
- クロード「そうだね。レナの言う通りだよ。
- レナ「そうよ。あきらめるのはまだ早いわ。
- ナール「分かりました。ミーネ洞窟はアームロックを出てほぼ西の島にあります。(進み出て)これをあなた達に預けておきましょう。
ミーネ洞窟の鍵を手に入れた。
- ナール「それがあればミーネ洞窟に入る事が出来るでしょう。
- ミラージュ「頼んだよ、あんた達。
ミーネ洞窟
入り口
鍵を開ける。
最強バーク人の前
戦闘終了。
レアメタルを手に入れた。
- クロード「みんな、ケガはないか?
- レナ「辺りの空気が静まっていくわ…。
- クロード「多分、今のバーク人が一番強かったんだよ。彼らは戦意を喪失したんだ。
- レナ「とりあえず、レアメタルは手に入れたわ。一刻も早く、ミラージュさんの所へ帰りましょう。
アームロック・ミラージュの家 その2
- ミラージュ(!)「おっ、レアメタルを採って来たね?
- レナ「最強の武器に仕上げてくれるんですよね? 期待しています。
- ミラージュ「任せといて。あんたたちがぶっ飛ぶくらいのものに仕立ててみせるよ。
レナ・レアメタルを渡す。
- レナ(!・見回して)「そういえば、ナールさんは?
- ミラージュ「用事があるって言って、帰ったよ。あんたたちにみやげを残してね。
- レナ「みやげ?
- クロード(?)「何ですか? みやげって。
- ミラージュ「ファンシティのフリーパス、N.P.I.D.だよ。
N.P.I.D.を手に入れた。
- レナ「ファンシティ?
- ミラージュ「ネーデプレイステーションっていう アミューズメント施設がそのまんま、街になっている場所さ。こっちの制作には三日はかかる。それまでそこに行っててもらえないかな。
- クロード「そんな、十賢者との決戦を前に、遊んでいるなんて…。
- ミラージュ「市長からの命令だよ。それにアミューズメント施設といっても、遊ぶのとはわけが違う。とにかくファンシティに急いで行きな。準備は整っているはずだから。
- レナ「はい…分かりました。
- クロード「僕たちは勝手が分からないから、従うしかないもんな。
- ミラージュ「まあまあ。行けばそんな考えも変わるって。