先日ようやくシドニーオリンピックが終わった。わたくしはそれほどテレビを見ていたわけではないが、新聞でも詳細が逐一報告されていたので、雰囲気は味わうことができた。
今回も日本人選手が多くの金メダルを取り、一人ひとりそれぞれの働きにより、多くの感動を我々に伝えてくれた。日本人選手の中では、柔道の田村嬢やマラソンの高橋嬢も確かにすばらしかった。しかし、わたくしがとりわけ感銘を受けたのは、今まで長年にわたり「鳥人」と呼ばれて来たセルゲイ・ブブカ氏である。棒高飛びひとすじに、様々な重圧にも耐え、今まで王者の名に恥じない戦いをなされた功績は、筆舌に尽くしがたい。
このように我々を感動させ得たのは、彼らが一つの夢(目標)に向かい「本気」になってぶつかって来たからに他ならない。自分の本分に魂を籠め、初めて実現出来るのである。単に有名だとか、人気があるとか、それは二の次である。
別にスポーツに限った話ではない。仕事にせよ趣味にせよ、「本気」「入魂」で取り組めば、その本当の面白さに気づくことが出来るし、何かしら無形の恩恵が与えられるものである。逆に、大した目標も持たず路端でくすぶっている若者を見ると、こちらもやる気が失せてしまう。
本気の姿は、端から見ても美しくさえ思えるものである。そうした意気込みが、周囲の環境をも変えることがあるのだ。